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情シス必見!社外持ち出しPCの情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策を解説

情シス必見!社外持ち出しPCの情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策を解説

リモートワークやハイブリッドワークが定着した現代において、社員がPCを社外に持ち出すことは「例外」ではなく「日常」となりました。

これにより従業員の生産性は向上しましたが、同時にPCの紛失・盗難、公共ネットワーク経由でのサイバー攻撃など、情報漏洩リスクも飛躍的に高まっています。特に機密情報や顧客データを含むPCがひとたび外部に流出すれば、企業の信頼性と事業継続性は致命的なダメージを受けます。情報システム部門には、利便性を損なわず、いかなる事態でも「被害ゼロ」を実現するための、多層的かつ網羅的なセキュリティ対策の設計が急務となっています。

本記事では、持ち出しPCに潜む 「4大リスク」と実際の被害事例をあげ、情報漏洩を水際で防ぎ、 万が一の事態でも「被害ゼロ」を実現するための 4つの多層的セキュリティ対策を具体的に解説します。

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企業が警戒すべきPC持ち出し時の「4大リスク」

情シス必見!社外持ち出しPCの情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策を解説

情シス担当者が特に警戒すべき、持ち出しPCに潜む4つの重大リスクについて、その発生源と影響を解説します。

リスク1:盗難・置き忘れによるPCの物理的紛失

PCの物理的な紛失・盗難は、持ち出し環境で最も一般的なリスクです。カフェや移動中の電車・タクシー内での置き忘れや、車上荒らし、スリなどが主な発生源となります。

重要なのは、単に「PCがなくなる」ことではなく、PC本体のストレージに保存された顧客データ、開発情報、財務情報などの機密データが、暗号化を突破され外部の悪意ある第三者の手に渡ってしまうことです。これらは、その後のインシデント発生の大きな起点となります。

リスク2:外部ネットワーク利用時のデータ傍受と覗き見(ショルダーハック)

社外で利用する公衆Wi-Fiは、通信が暗号化されていない、または脆弱な場合が多く、通信内容の傍受リスクが常に存在します。

また、コワーキングスペースやカフェなどの公共の場では、背後や隣からの「覗き見(ショルダーハック)」により、ログイン情報や閲覧中の機密情報が露見する物理的な脅威も無視できません。外部ネットワークは、攻撃者にとって格好の侵入経路となり得ます。

リスク3:意図しない操作や設定ミスによる情報漏洩

セキュリティ対策を施した環境下であっても、人的ミス(ヒューマンエラー)は情報漏洩の主要因の一つです。

具体的には、誤ったメールアドレスへの機密文書の送信、クラウドストレージの共有設定を誤って「全体公開」にしてしまう、または、業務用PCの私用利用などにより意図しないマルウェアに感染、といった操作上のミスです。特に社外という非日常的な環境では、普段よりも注意力が散漫になりやすく、設定ミスが発生する確率が高まります。

リスク4:事故発生時の「コンプライアンス違反」と法的責任

情報漏洩が起きた場合、その原因がPCの紛失でも、設定ミスでも、単なる「事故」では済まされません。個人情報保護法では、情報の取り扱い事業者に対して適切な安全管理措置を義務付けており、違反時には個人情報保護委員会による勧告や命令、さらには最大1億円の罰金が法人に科される可能性があります。

また、不正競争防止法や刑法上の業務上横領罪などに問われるリスクも発生し、法的責任と、企業ブランドの毀損による社会的な制裁は計り知れません。

【事例】PC紛失・盗難による情報漏洩の深刻な被害実態

PCの紛失・盗難による情報漏洩は、目に見える罰金や賠償金だけでは収まらない甚大な被害をもたらします。

東京商工リサーチの調査でも、情報漏洩原因として「紛失・誤破棄」が挙げられています。もし顧客情報1万件が流出した場合、インシデント調査費用、原因特定のための専門機関への依頼費用、セキュリティ体制の見直し費用に加え、被害者への謝罪と通知(お詫びの品や見舞金を含む)、さらには訴訟対応費用などが積み重なり、その損害額は数千万円から数億円に達することが一般的です。

また、これに加えて発生するブランドイメージの失墜、取引先との契約停止、株価の下落といった間接的な損害は、企業の根幹を揺るがす深刻な事態を招きます。予防は、何よりも安価な「事業継続のための保険」なのです。

情報漏洩を水際で防ぐための3つの多層的対策

PC持ち出しのリスクに対抗するためには、単一の対策に頼るのではなく、複数のセキュリティレイヤーで防御する「多層防御」の構築が不可欠です。 紛失・盗難が発生してもデータが流出しない、侵入されても検知・対処ができる、という段階的な防御を実装します。

対策1:PCの所在を把握するMDMを活用したIT資産管理の徹底

PCの持ち出しを許可する以上、それが今どこにあるのか、誰が使っているのかを可視化することが第一歩です。

MDM(モバイルデバイス管理)を導入することで、PCのネットワーク接続状況、さらにはGPS等を利用した最終位置情報をリアルタイムで把握できます。これにより、紛失・盗難が発覚した場合の初動対応時間を大幅に短縮できます。

また、MDMは単なる資産台帳管理に留まらず、遠隔からの強制的な画面ロックやパスワード変更、業務上不必要なアプリケーションの起動制限など、セキュリティポリシーの強制適用を可能にし、紛失リスクを低減する上で重要な役割を果たします。PCの「所在地」を常に把握することが、被害拡大を防ぐための最低条件です。

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対策2:まず導入すべきはウイルス対策ソフト

サイバー攻撃やマルウェア感染からPCを守るための基本中の基本が、ウイルス対策ソフトの導入です。しかし、近年巧妙化する脅威(ランサムウェアなど)は、従来のシグネチャベースの対策では検知が困難です。

そこで重要となるのが、侵入後の脅威に対応するEDR(Endpoint Detection and Response)の導入です。EDRは、PC内で実行されるすべてのプロセスや通信を常時監視し、不審な挙動をリアルタイムで検知・記録・対応します。これにより、仮にマルウェアがPCに侵入しても、それが機密情報を窃取する前に隔離・除去することが可能となり、被害を最小限に抑えられます。

その他、AIを活用して未知の脅威やゼロデイ攻撃から守るといった、NGAV(次世代アンチウイルス)の導入も有用です。

利用しているOSやアプリケーションに関しては、脆弱性を突かれぬよう、常にバージョンを最新化するといった事も重要なセキュリティ対策の一環となります。

対策3:多層防御を完結させる「リモートデータ消去」

上記対策を講じたとしても、万が一、PC本体の暗号化や多要素認証が破られ、機密情報への不正アクセスが試みられる可能性は否定できません。そのため、多層防御の「最後の砦」として、リモートデータ消去の導入が不可欠です。

この最終防衛線を確実かつ迅速に機能させるのが、リモートデータ消去ソリューション「TRUST DELETE on CLOMO Cloud」です。紛失・盗難が発覚した際、管理者や情シス担当者は遠隔からPC内のすべてのデータを完全に消去するコマンドを即座に発行できます。

TRUST DELETE on CLOMO Cloud の最大の強みは、「オフライン時自動消去機能」にあります。攻撃者がPCを意図的にネットワークに接続させない状況を想定し、設定した期間(例:1週間)ネットワーク接続がない状態が続いた場合に、自動的にデータ消去を実行します。これにより、遠隔からの指示が届かなくても機密情報が守られます。

情報漏洩リスクをゼロにする最終手段として、Windows PCをご利用の場合は、TRUST DELETE on CLOMO Cloud の導入をご検討ください。

関連ページ:TRUST DELETE on CLOMO Cloud

まとめ:PC持ち出しリスクを「被害ゼロ」で封じるために

現代の働き方において、PCの社外持ち出しは避けて通れません。しかし、そのリスクを放置することは、企業の存続に関わるコンプライアンス違反と見なされます。情報漏洩を「被害ゼロ」で封じ込めるには、第3章で述べた4つの対策を個別に実施するのではなく、相互に補完し合う「多層防御」として機能させることが重要です。

特に、データ暗号化や認証が突破された後の「最後の砦」となるリモートデータ消去の有無が、被害の大きさ、そして企業の命運を分けます。この決定的な対策を確実なものにするために、Windows PCに対応し、自動消去機能を備えた TRUST DELETE on CLOMO Cloud の導入を強く推奨します。

セキュリティへの投資は、単なるコストではなく、企業が社会的な信頼を維持し、事業を継続していくための必要不可欠な「戦略的投資」です。この機会に、TRUST DELETEの製品詳細をぜひご確認いただき、御社のセキュリティ体制強化にお役立てください。

関連ページ:TRUST DELETE on CLOMO Cloud

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玉置 俊介

監修者

玉置 俊介

CLOMO事業本部 営業部 営業2課

2021年より当社コンサルティングサービス部に所属し、MDMを中心とした数多くの導入・運用支援に従事。
豊富な技術的知見を強みとし、現在はWindowsクライアントを対象としたソリューション提案を主軸に、パートナー企業との協業や各種販売支援を行う。

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※出典: デロイト トーマツ ミック経済研究所「コラボレーション/コンテンツ・モバイル管理パッケージソフトの市場展望(https://mic-r.co.jp/mr/00755/ )」2011~2013年度出荷金額、「MDM自社ブランド市場(ミックITリポート12月号: https://mic-r.co.jp/micit/2025/ )」2014~2024年度出荷金額・2025年度出荷金額予測