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EMM・MDM・MAM・MCMの違いとは?デバイス管理の必要性と導入すべきシステムもご紹介

スマホやタブレットなどのモバイルデバイスの管理は、今日のビジネスにおいて欠かせないものです。数ある管理手段の中でも、EMM・MDM・MAM・MCMは、多くの企業・学校で導入されているシステムです。

本記事では、EMM・MDM・MAM・MCMの違いを説明します。また、多くの企業が直面するデバイス管理の課題に触れ、最初に導入すべきシステムも紹介します。

【用語整理】EMM・MDM・MAM・MCM

デバイスを効率的に管理し、セキュリティを強化するためには、モバイルデバイス管理システムの導入が不可欠です。中でも、EMM・MDM・MAM・MCMの4つのシステムは、多くの企業・学校で導入されています。

システム役割
EMM(エンタープライズモビリティ管理)モバイルデバイスの統合的な管理
MDM(モバイルデバイス管理)モバイルデバイスの管理
MAM(モバイルアプリケーション管理)モバイルデバイス内のアプリの管理
MCM(モバイルコンテンツ管理)モバイルデバイス内のコンテンツの管理

EMM・MDM・MAM・MCMは、管理対象や役割が異なります。特定の範囲に特化し、連携してデバイスを管理する仕組みです。以下では、EMM・MDM・MAM・MCMの違いを詳しく説明します。

EMM(エンタープライズモビリティ管理)とは?

EMMは、スマホやタブレットなどのモバイルデバイスを総合的に管理するシステムです。Enterprise Mobility Managementの略で、エンタープライズモビリティ管理と訳されます。

EMMは、MDM・MAM・MCMの3つの要素から構成されています。MDM・MAM・MCMの機能が統合され、デバイスのセキュリティ強化やアプリの管理、コンテンツの配信などが行えます。

関連記事:EMM(エンタープライズモビリティ管理)とは?導入するメリットや注意点をご紹介

MDM(モバイルデバイス管理)とは?

MDMは、モバイルデバイスを一元的に管理するシステムです。Mobile Device Managementの略で、モバイルデバイス管理と訳されます。

MDMでは、デバイスのセットアップやセキュリティポリシーの適用を一括で行えます。また、デバイスの位置情報の取得や、リモートでのロック・データ消去などの機能も搭載しています。

MDMを導入することによって、デバイスの管理・運用の効率化や利用状況の把握、不正利用の防止、盗難・紛失対策につながります。デバイスのセキュリティを強化し、効率的な管理を実現します。

関連記事:MDM(モバイルデバイス管理)の必要性とは?導入のメリットをわかりやすく解説

MCM(モバイルコンテンツ管理)とは?

MCMは、モバイルデバイス内の文書・画像・音楽といったコンテンツを管理するシステムです。Mobile Content Managementの略で、モバイルコンテンツ管理と訳されます。アクセス権限の管理やデータの一元管理、セキュリティポリシーの適用などが行えます。

MCMの導入によって、企業の知的財産や重要な情報が含まれるコンテンツを安全に保管できます。コンテンツへのアクセス権限を設定することで、不正アクセスや情報漏洩のリスクを軽減します。

MDMとMAMの違い

MDMとMAMは、管理対象がよく混同されるシステムです。MDMとMAMでは、以下のように役割や機能が異なります。

システム役割主な機能
MDMモバイルデバイスの管理利用状況や端末情報の遠隔把握
 ●電話番号・端末番号・位置情報・アプリの
  インストール状況などの把握

不要な機能の制限・設定
 ●カメラやスクリーンショットなど、基本的な機能の
  制限
 ●USB機器やパソコンとの接続の制限
 ●業務に不要なアプリの非表示化
 ●Wi-Fi接続やVPNの設定
 ●ホーム画面のアプリ配置の設定

セキュリティ対策
 ●リモートロック
 ●リモートワイプ
 ●パスワードの強制設定
 ●Webフィルタリング機能
 ●OSのアップデート管理
 ●ウイルス対策
MAMモバイルデバイス内の
アプリの管理
アプリの管理
 ●インストールされているアプリ情報の収集
 ●アプリの使用制限
 ●アプリの自動インストールおよびアンインストール
 ●アプリ内の各設定
 ●アプリ間のデータの受け渡しの制限
 ●アプリ内データの遠隔消去

アプリの一斉配布
 ●部署や役職ごとに特定のアプリの配布
 ●社内用のアプリ配信ポータルの構築

MDMがデバイス全体の管理とセキュリティ強化を担い、MAMはアプリの管理とセキュリティ強化を実現します。ちなみに、MAMの機能の多くは、MDMの導入が前提になっています。そのため、MDMとMAMを組み合わせることによって、デバイスとアプリを総合的にかつ効果的に管理できるようになります。

モバイルデバイス管理システムが必要とされている背景

デバイスのビジネス利用が拡大し、情報漏洩やウイルス感染といったセキュリティリスクは高まる一方です。さらに、テレワークやBYOD(私的端末を業務に使用すること)も普及し、オフィス外でデバイスを使用する機会が増加しています。

外部からの不正アクセスやマルウェアの侵入を防ぎ、機密情報を保護することが求められます。また、スタッフによる不正使用を防止し、適切な使用をモニタリングすることも重要です。

加えて、複数のデバイスにわたるアプリ・OSのアップデートや設定を一元的に管理することで、管理者の業務負担を軽減することにもつながります。

このような背景で、デバイスを安全・効率的に管理できるシステムの必要性が高まっています。モバイルデバイス管理システムの導入により、セキュリティリスクを最小限に抑えることができます。さらに、業務効率化と生産性向上を実現することが可能になります。

EMM・MDM・MAM・MCMどれを導入すべき?

デバイス管理に課題を感じている企業は多いはずです。まずは、MDMの導入から始めてみてはいかがでしょうか。

MDMは、デバイスの基本的な管理とセキュリティ対策を提供します。デバイスの安全・効率的な運用の基盤を築きます。その後、必要に応じてMAMやMCMなどの機能を拡張することで、より詳細な管理ニーズに対応できるようになります。

MDM・MAM・MCMの機能を含むEMMは、デバイスの包括的な管理が可能になります。しかし一方で、多機能性がデメリットになる場合もあります。設定や運用の範囲が広がりすぎると、管理者の運用負担が大きくなります。また、導入や運用のコストも、高くなる傾向にあります。なかには、不要な機能もあるかもしれません。

システム選定時には、必要な機能を絞り、「コスト」と「利益」を天秤にかけて考える必要があります。まずは簡単な導入から始め、徐々に機能を拡張していく進め方が現実的でしょう。

デバイス管理のことはじめに、MDMの導入がおすすめです。デバイスの一元的な管理はもちろん、MDMの中にはMAMやMCMの機能を包含しているものや、オプションで追加できるサービスもあります。機能の対応範囲は、各サービスのメーカー・ベンダーに確認するようにしましょう。

CLOMO MDMは13年連続市場シェアNo.1のMDMサービス

CLOMO MDMは、スマホやタブレットなどのモバイルデバイスを統合的かつ効率的に管理できるMDMサービスです。企業・学校・医療機関への導入実績が豊富で、国内MDM市場シェアで13年連続No.1*を達成しています。

リモートロックやリモートワイプ、使用状況の把握、セキュリティポリシーの適用など、デバイス管理に必要な機能を豊富に搭載しています。

また、アプリやコンテンツ管理などの幅広いニーズに対応した「CLOMO SECURED APPs」も用意しています。MAMとMCMの機能を提供し、アプリの機能制限やファイルのコピー制限などが行えます。CLOMO SECURED APPsによって、デバイス内のアプリ・コンテンツも総合的に管理できるようになります。

CLOMO MDMは多機能性に加え、操作性に優れているのも特長です。使いやすい画面設計で、特別な知識やトレーニングなしで簡単に操作や管理ができます。専任チームによる日本語での電話受付サポートも行っており、MDMの導入・運用時の不安や困りごとを解決まで徹底的にサポートします。

*出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所「コラボレーション/コンテンツ・モバイル管理パッケージソフトの市場展望(https://mic-r.co.jp/mr/00755/)」2011〜2013年度出荷金額、「MDM自社ブランド市場(ミックITリポート12月号: https://mic-r.co.jp/micit/2023/)」2014~2022年度出荷金額・2023年度出荷金額予測

まとめ

デバイスのビジネス利用やテレワーク、BYODの導入が進む中、適切なデバイス管理が必要です。デバイスのセキュリティを強化し、効率的な管理を実現するためには、デバイス管理システムの導入が不可欠です。

特にMDMは、デバイスの基本的な管理とセキュリティ対策を提供し、デバイスの安全・効率的な運用基盤を築きます。まずはMDMを導入し、適切なデバイス管理環境を作るのがおすすめです。
CLOMO MDMは、充実した機能とサポート体制を誇り、企業や学校などへの導入実績が豊富なMDMサービスです。無料トライアルも可能で、事前に製品の使用感を確かめられます。また、製品の機能・活用事例のダウンロードや、製品についてのお問い合わせもお気軽にできるため、ぜひご活用ください。