産業用空調機器メーカーとして世界に挑む
製造ラインから保守担当まで全社員に専用端末を支給。「自分のことは自分で」という文化のもと、作業実績報告等を現場で即時完結させ、大幅な効率化を実現しました。
個人アカウントの使用を完全に禁止し、ハンディターミナルは社内Wi-Fiのみに接続を制限。紛失時の位置情報取得は緊急時のみとし、社員のプライバシーに最大限配慮したルールを構築しています。
モバイル端末のキッティングからMDM運用管理までを外部に委託することで、管理・運用業務の負荷を大幅に軽減し、社員が本来の業務に集中できる体制を構築しました。
西部技研は、独自のハニカム技術を用いた除湿・VOC濃縮・全熱交換などのシステム開発・製造を手掛ける、世界トップクラスの産業用空調機器メーカーです。リチウムイオン電池や半導体、食品・医薬品など、厳密な温度・湿度管理が求められる多様な産業分野に対し、高度なソリューションを提供しています。また、国内外50か国以上に製品・サービスを供給し、グローバルに事業を展開しています。
同社は現在、モバイル端末を全社導入することで、製造業のDXを力強く推進しています。DX推進により一人ひとりの生産性向上と強固な情報セキュリティ体制を両立させている同社で、IT企画を統括されている経営管理本部 IT企画室 ゼネラルマネージャー 本田 美保子氏に、モバイル端末の活用方法や、運用体制の構築について、お話を伺いました。
西部技研には、「自分のことは自分で」という現場主体の文化が根付いています。その考え方に基づき、全社員の生産性向上を目指し、モバイル端末の全社導入が決定されました。
製造現場には、ハンディターミナルを1人1台配布しています。本田氏は、「ハンディターミナルは、製造ラインでの業務の自己完結を目的に導入しました」と語ります。現場社員は、生産管理システムへの入力、TeamsやOutlookを活用した情報共有、人事評価システムへの入力など、様々な用途で活用しています。
また、納入先の機械の保守を担当する社員にはタブレットを配布。これにより、訪問先で保守報告書の作成を完結できるようになり、お客様への報告・確認プロセスが大幅に効率化しました。また、外出の多い社員にはスマートフォンを配布し、外出先でのメール・Teams利用、承認業務などを行っています。本田氏は、「タブレットは保守現場における即時完結、スマートフォンは場所を問わない働き方を目的としています」と語ります。
モバイル端末を安全かつ効率的に運用するために、MDMは不可欠でした。本田氏は、「モバイル端末の導入=MDM導入なので、導入の是非すら検討しませんでした」と、その重要性を強調します。
モバイル端末の全社導入にあたり、西部技研が最も重視したのは、強固な情報セキュリティ体制の構築です。製造業の特性上、機密情報や顧客情報、公開前の技術情報などを扱う機会が多く、情報漏洩が発生すれば、企業の信頼性や業績に甚大な影響を及ぼす恐れがあります。
セキュリティの要件を満たす複数のMDMを比較検討した結果、CLOMO MDMの導入を決定しました。本田氏は、「数社拝見しましたが、機能と価格のバランスが取れていると感じました。必須条件だったハンディターミナルへの適用が可能だったことと、接続Wi-Fi制限ができたことが決め手でした」と振り返ります。
同社は、モバイル端末を「業務利用のみ」に限定する運用ポリシーを策定しており、社外へ持ち出した端末の使用を制限するための「接続Wi-Fi制限」は譲れない要件でした。CLOMO MDMは、これらの厳格な要件を満たし、セキュリティとコストを両立できるソリューションでした。
モバイル端末とCLOMO MDMの導入後、西部技研の働き方は大きく変化しました。本田氏は、「製造ラインの社員も含めて全員にIT機器を持たせたことで、紙にたよらないコミュニケーションツールが確保できました。また、kintoneや人事システムを利用できるようになったことで、全員が『自己完結』できることはよかったと思います」と効果を語ります。
一人ひとりに専用端末を支給したことで、現場での作業はその場で入力・完結できるようになりました。
また、同社ではモバイル端末のキッティングやMDMの運用を外部に委託しています。外部連携の体制を構築したことで、モバイル端末の運用・管理業務の負荷を軽減し、社員が本来の業務に集中できる環境を整えました。
西部技研の運用ポリシーには、現場のニーズとセキュリティを両立させるための緻密な配慮がうかがえます。
モバイル端末の利用を「業務利用のみ」に徹底するため、個人利用が前提となるGoogleアカウントやApple IDの使用は完全に禁止しています。
また、紛失対策としてCLOMO MDMの位置情報取得機能を活用していますが、「位置情報は、紛失の時に利用するだけで、日常的には見ることはありません」と本田氏は説明します。あくまで緊急時の対応策としており、社員のプライバシーに最大限配慮したルールとなっています。
セキュリティレベルを確保するため、パスコード設定は必須にしています。さらに、ハンディターミナルについては、特定のWi-Fiにのみ接続を許可するCLOMOの機能で、社外での利用を物理的に制限し、紛失・盗難の場合の情報漏洩リスクを低減しています。
一方、柔軟な働き方の推進を目的として導入したスマートフォンでは、場所を問わず業務を継続できるようテザリングを可能にするなど、業務実態に合わせた柔軟な設定を行っています。
西部技研は、さらなる業務の最適化を追求しており、積極的なIT投資を進めています。同社がITツールを検討する際の姿勢は一貫して、「業務フローの改善ありき」です。
グローバル展開を加速させる同社にとって、事業の成長は常に新たな業務の変化をもたらします。新しい工場での展開、新規顧客への対応、製品ラインナップの拡大など、事業環境が変わるたびに、現場の業務プロセスも変化していきます。
本田氏は今後について、「1番大事にしているのは『安定運用』です」と強調します。この「安定運用」とは、単に現状を維持することではなく、事業の変化に応じて柔軟に対応しながらも、セキュリティと業務効率を損なわない運用を意味します。
「ITツールはあくまで事業を加速させるための手段」という明確な方針のもと、製造業のDXを成功させている西部技研。モバイル端末とCLOMO MDMの柔軟な活用と、外部の専門家を巻き込んだ運用体制、そして変化に対応できる基盤づくりは、多くの企業にとってDX推進のヒントとなるはずです。
※本事例中に記載の内容は掲載時点のものであり、閲覧される時点にて変更されている可能性があることをご了承ください。
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