CLOMO MDMが支える車載タブレットの安定運用
「Androidのアプリ構成ポリシー」を活用し、タクシー会社の希望する深夜帯にアップデートを自動実行。手動での深夜対応をなくし、運用負荷を大幅に軽減しました。
MDMなしの場合と比較して、キッティングにかかる時間が4分の1以上に短縮されました。Googleアカウント管理を含めた工数を削減し、効率的な展開を実現しています。
CLOMO MDMのDedicated device モード(キオスクモード)により、意図しない操作や業務外利用を制限。トラブルを未然に防止し、一定の品質を保った車載タブレットとして展開できています。
タクシーアプリ「S.RIDE」の開発・運営を行うS.RIDE株式会社。同社のサービス品質を最前線で支えているのが、車載タブレットやドライバーアプリです。その企画・運用を統括するサービス企画運営部 シニアプロダクトマネジャー 足立 昌史氏に、CLOMO MDM導入の背景や効果についてお話を伺いました。
タクシーアプリ「S.RIDE」の開発・運営を通じて、日本のモビリティサービスに変革をもたらしているS.RIDE株式会社。その事業はアプリの運営にとどまらず、提携するタクシー会社向けの配車ソフトウェアやシステムの企画・開発も手掛けています。また、座席広告サービス「Canvas」をはじめとする広告事業や、IoT、AIを活用した次世代モビリティサービス開発にも積極的に取り組んでいます。
同社のサービスを支えるのは、提携するタクシー事業者の車両に配備されたAndroidタブレット端末です。この車載タブレットは運転席横に設置され、配車リクエストの受信、カーナビゲーション、そしてタクシーメーターと連携したキャッシュレス決済など、ドライバーの業務に不可欠な機能を一元的に提供しています。
数千台規模で展開する車載タブレットを円滑に運用する上で、MDM(モバイルデバイス管理)の導入は不可欠でした。最も重要な役割は、アプリケーションの配信と管理です。タクシー会社ごとに必要なアプリを配信・管理する作業は、MDMなしでは大きな負担となります。
また、タクシーは24時間稼働しているため、接客中にアプリのアップデートやインストールが始まらないよう、厳格に配信タイミングを制限する必要がありました。
さらに、セキュリティの確保も重要です。ドライバーによる誤った設定変更や、業務外アプリのインストールは、サービス品質の低下だけでなく、情報漏洩などのセキュリティリスクも高めます。
加えて、端末の故障や交換時の対応も課題でした。故障端末からSIMカードを抜き取り、新しい端末に差し替えるといった手動作業は煩雑で、どの端末がどの車両にあるかを正確に把握する管理体制の構築も急務でした。これらの課題を解決するため、MDMの導入を検討することになったのです。
複数のMDMベンダーを比較検討した結果、CLOMO MDMが持つ豊富な機能と、きめ細やかなサポート体制が最終的な決め手となり、導入に至りました。
足立氏は、「Managed Google Play(企業や組織がAndroidデバイスにアプリを展開・管理するためのサービス)によるアプリケーション配布や端末管理ができることと、マニュアルやサポートの手厚さが選定の理由でした」と語ります。
CLOMO MDMの導入により、Managed Google Playを通じて自社アプリを一般公開せずに配信できるようになったほか、アプリ構成ポリシーを利用してインストールやアップデートを細かくコントロールできるようになりました。これは、アプリケーションの厳格な管理とセキュリティ確保という要件を満たす上で不可欠な要素でした。
CLOMO MDMの導入後、端末運用における課題が次々と解決し、目覚ましい効果が現れました。
キッティング工数の大幅削減
キッティング作業が容易になり、1台あたりのキッティング作業の工数を大幅に削減できました。MDMなしの場合と比較して、キッティングにかかる時間が4分の1以上に短縮されました。
厳格なアプリ管理と運用負荷の軽減
インストールされているアプリの種類やバージョンを簡単に把握できるようになり、一元管理による安心感が得られました。特に、24時間稼働のタクシー運行を止めることがないよう、「Androidのアプリ構成ポリシー」を活用し、タクシー会社の希望する深夜帯などにアップデートを自動実行できるように。これにより、手動で深夜に対応する手間がなくなり、運用負荷が大幅に軽減されました。
トラブルの未然防止と品質保持
CLOMO MDMのDedicated device モード(キオスクモード)により、デバイス管理側が意図しない操作を防ぐ制限をかけることで、トラブルを未然に防ぎ、一定の品質を保った車載タブレットとして展開できています。乗務員は、社内オペレーションに特化した、シンプルで使いやすい業務端末として活用できています。
稼働状況をリアルタイムで把握
展開後の車載タブレットの稼働状況をリアルタイムで確認できることも大きなメリットです。Web画面で稼働状況や位置を集中管理できるため、サービスの品質向上にも大きく貢献しています。
CLOMO MDMを導入したものの、運用・管理において浮き彫りになった課題もあります。
車載タブレットはエンジンの停止と連動して端末の電源がオフになるという特性があるため、ドライバーが業務をしていないのか、それともエンジンが入っているのに電源がオフになっているのかを判別するのが難しいのです。現在はCLOMO MDMの位置情報機能を活用して対応していますが、完全な解決には至っておらず、引き続き解決策を模索しています。
今後、提携タクシー会社の増加に伴い、車載デバイスの展開も拡大していくことが見込まれています。足立氏は、増加していく管理台数においても、これまで実現してきた円滑で安定したアプリケーション配信と管理運営が継続できることをCLOMO MDMに期待しています。
さらに、S.RIDEが目指すのは、単なる配車サービスの効率化だけではありません。ライドシェアやダイナミックプライシングといった、次世代のモビリティサービスへの対応も視野に入れています。同社のサービスが世の中の変化に合わせて進化するうえで、車載タブレットは常に最前線で稼働し続けなければなりません。CLOMO MDMは、その高度化するサービスを安定的に、そしてセキュアに運用するための「下支え」として、今後も重要な役割を担います。
CLOMO MDMとの連携を深めることで、S.RIDEは、未来の移動体験を創出し続けるという大きなビジョンに向かって、力強く前進していきます。
※本事例中に記載の内容は掲載時点のものであり、閲覧される時点にて変更されている可能性があることをご了承ください。
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