東京慈恵会医科大学

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医療業界で世界最大規模 iPhone3,400台の安全・安心な運用を支えるCLOMO

セキュアなアドレス帳とチャットが医療従事者間のコミュニケーションを促進。

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  • POINT 1

    チャットコミュニケーションを促進

    簡単な情報のやり取りに顔写真が見えるCLOMO IDsのチャット機能を活用。開始初日250人の利用がわずか2週間で400人と利用が急拡大。

  • POINT 2

    緊急時などのメッセージの一斉通知が簡単に

    CLOMO MDMの一斉通知機能を利用し、少ない手順でメッセージの一斉通知が可能に。条件に応じた通知先の抽出と選択もCLOMO MDMの管理画面から簡単に実行。

  • POINT 3

    院内電話帳の情報管理の負荷を軽減

    CLOMO SecuredContactsを利用して、管理側で更新された情報がすべての端末の電話帳に即時反映されるように。従来、手作業で行っていた時間と手間を解消。


2020年までのロードマップを描いて病院全体のICT化へ

ー iPhone導入の経緯をお教え下さい。

髙尾さま:従来の医療用PHSにかわって2015年10月に、約3400台のiPhone 6を教職員向けに導入しました。東京オリンピックが開催される2020年に向けて、当校では、東京の顔となるような存在感のある大学を目指しています。その一環として大学(病院)内のICT化を進めており、2020年までに実施する取り組みのロードマップも描いています。

iPhoneの導入はこのロードマップを進める上での大前提とも言えるもので、業務の効率化などを目指して踏み切りました。これから数多くの取り組みがロードマップに沿って始まっいく中で、様々な効果が得られることを期待しています。

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より確かな安全を目指し、医療機器への電波の影響を独自に調査

ー 医療機関でこれだけ大規模なスマートフォン導入は珍しいのではないでしょうか。

髙尾さま:そうですね。おそらくアジア全体を見渡しても、3000台以上のiPhoneを導入した医療機関というのはうちだけでしょう。

ー そうした他に類を見ない試みを実施するには、不安な要素も多かったのではないですか?

髙尾さま:はい。今回、スマートフォンとフィーチャーフォンを病院内で使用するにあたって特に注意したのが、医療機器や人体に電波が及ぼす影響です。2014年8月に電波環境協議会が示した「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針」では、携帯電話回線の端末を「医療機器と1m以上離すことを推奨」としていますが、1m以内での使用については病院側の判断に任せられています。

 

そこで私たちは、携帯電話の電波が各種医療機器に与える影響について独自調査を行いました。その結果、電波状態が良い場合、PHSの6cmに対して携帯電話は2cmまで接近してようやく何らかの影響が出ることを確認することができたのです。

 

また、この調査結果から、電波状況の改善がより安全なスマートフォン運用につながると判明したので、携帯電話事業者と協力し、新たな電波塔の設置も行いました。こうした技術的な工夫と合わせて、院内でのスマートフォンや携帯電話の利用ルールも、患者さんや看護師、医師、事務系職員といった利用者と、病室や待合室、診察室などの場所に応じて細かく取り決めました。

積極的なチャレンジを支えるのが「CLOMO MDM」

ー セキュリティ面ではどのような配慮をしていますか。

髙尾さま:セキュアなモバイルワーキング環境を構築するために「CLOMO MDM」を活用しています。もしも端末を紛失してしまったとしても、徹底的に情報漏えいを防ぐことができますから。セキュリティに100%という考え方はありませんが、そればかりを気にしていたのでは先に進めません。

 

特に私たちの大学は国のICT活用のモデルケースとなっていますので、私たちの取り組みが全国の医療機関へと広がることで、多くの医師を支援し、それが一人でも多くの患者さんの命を救うことにつながると考えています。そうした意識のもと、これまでにも地域医療連携を促すスマートフォンアプリやスマートフォンを活用したシステムを、携帯電話事業者と共同で開発してきました。患者さん自身による日頃の健康管理と救急時の通報や医療情報提供を行うアプリ「MySOS」、医療従事者向けのコミュニケーションアプリ「Join」、地域を包括してケアするクラウドシステム「Team」がそれです。

 

今後、私たちの病院内というフィールドで、医療におけるICT活用のさらなるチャレンジを続けていくためにも、安全・安心な足もとをかためる「CLOMO」は、欠かせない存在となっています。

情報共有やアプリ活用の促進 ─ 多様な分野で貢献する「CLOMO」

ー 「CLOMO」はMDMだけでなく、様々な用途に活用しているようですね。

畑中さま:現在、慈恵医大では「CLOMO MDM」「CLOMO SecuredContacts」「CLOMO SecuredBrowser」「CLOMO IDs」の4つを導入しています。

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各種サービスで役立ちそうな機能は積極的に利用するようにしています。例えば、エンタープライズソーシャルアプリ「CLOMO IDs」のチャット機能を見ても、12月1日の開始当初は約250人の利用でしたが、2週間後には約400人まで拡大しています。

先に使用してみて“これは使える”と感じた人が、他のユーザーにチャットで伝えることで利用が広がっていったようです。顔写真が見える連絡帳を備えた「CLOMO IDs」を使ったチャットコミュニケーションは、こちらから特に利用を促さなくても、これからも広がり続けて確実に病院内に定着していくことでしょう。

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安部さま:MDMには意外な使い方があるなと実感したのが、「CLOMO MDM」の一斉プッシュ通知機能ですね。CLOMOの管理者画面で送信先のiPhoneを選べば、伝えたい緊急メッセージを、プッシュで職員に通知することができることが大変業務に役立っているのです。

 

例えば外来にきた急患で緊急手術が必要となった際に手術室の確保調整が必要ですが、キャパシティを超えてしまった時などは医師へその旨連絡する必要がありました。これまではPHSで、管理部門が手動でメール配信機能を使っていたのですが、そもそも視認性や着信に気付きにくいのとから読まれないことが多かったり、送信先数の制限などから数回に分けてメール送信しなければならないなど、プロセスと作業自体が煩雑でした。それが「CLOMO MDM」の導入後は、メッセージ送信先を組織単位以外でも”タグ機能”で柔軟にグルーピングできることがわかり、一気に簡素化されました。その他のメッセージ送信の場面としては、例えば病棟などでの盗難や不審者情報が寄せられれば、院内の音声アナウンスではなく、iPhoneを携帯している現場にメッセージを送ることで備えることができるようになり、防犯面での院内のセキュリティ強化につながっています。

 

医療現場というのは、30以上の職種の人たちがそれぞれの専門業務にバラバラの場所でバラバラの時間に従事していますので、病院からの情報共有がとても難しいという側面がありましたが、そんな“壁”も「CLOMO MDM」のシンプルな機能が解消に一役買ってくれたのです。

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村上さま:管理する立場から言うと、「CLOMO SecuredContacts」を導入したことで、セキュリティを確保しながら電話帳の情報管理がしやすくなったことが大きいですね。年度や四半期ごとの大規模な拠点間異動などで内線番号や所属変更があった場合にも、集約された電話帳情報を更新すればすべての端末にほぼ即時反映されるようになりましたから。

 

PHSを使っていた頃は、端末一台ごとに内線番号を赤外線を使って手作業で更新しなければならず、かつ1000件までしか登録できないので複数の電話帳の内容やバージョンを管理することが、管理部門も現場の医療職にも大きな手間となっていたんです。

 

あと、端末の情報を確認できるようになった点も管理者としては非常にありがたいです。どのようなアプリを利用しているのか見ていくことで、幅広い専門職ごとにどういったアプリが有用なのかもわかってくるのではと期待しています。こうしたアプリの管理やアプリの有効活用にも、「CLOMO MDM」は貢献していると言えますね。

ナースコールとの連携で、患者の不安と待ち時間を軽減

ー 看護の現場では、iPhoneはどのように役立っていますか。

荒木さま:以前は患者さんからナースコールがあると、それぞれの看護師が携帯しているポケベルに知らせていたのですが、それだとナースコールを受診してから実際にお返事するまでにどうしても時間がかかってしまっていました。

看護師の声がなかなかかからず、患者さんにも不安を抱かせていたことと思います。それがナースコールに直接iPhoneから対応できるようになったため、「すぐに行きますよ」と、コール受診と同時に患者さんに話かけることができるようになりました。

飯久保さま:前は受信するコールの種類が「通常」「緊急」「トイレから」という3種類しかなく、患者さんの状況がつかみづらかったのですが、iPhoneを使ったナースコールとの連携システムではコールの種類も増えました(転倒リスクのある患者はベッドサイドに動感センサーを設置でき、センサーから直接ナースコール経由でiPhoneに通知するようになった)ので、すぐに行かなければいけないのか、それとも少し待ってもらっても大丈夫なのか、といった判断がしやすくなりました。

看護業務のスピードも質も、安心感も向上していると思います。

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アプリの使い方を自分たちで学習できるような環境が大事

ー 医師の間でスマートフォンを使うことへの抵抗などはありませんでしたか?

髙尾さま:目立ったものは何もありませんでしたね。むしろ20代の研修医なんかは非常に前向きで、積極的に使いこなしていると感じます。やはり若い人は日常的にスマートフォンを使い慣れていますし、何よりも飲み込みが早いですから。

 

一方で教授陣あたりになると、スマートフォンでの入力にとまどったりといったシーンもちらほら見られたりしますが(笑)。

ー アプリの使用などに関するトレーニングの必要はなかったのでしょうか。

髙尾さま:特に教育が必要となるようなアプリは現場で使われず根付かない、というのが持論です。自分で学習ができるような体制にならなければ、本来の活用までには辿り付けないでしょう。

そうした自ら使い方を学べるような環境を提供するために、この1月よりクラウド型簡単マニュアル作成・共有ツール「Teachme Biz」の運用を開始しました。

ICTの医療フィールド構築を目指して

ー 最後に、スマートフォンを含めたICTの医療への活用について、今後の展望をお話しいただけますか。

髙尾さま:スマートフォン導入当初、「PHSでこれまでできたこと」を第一義として、現場に定着することを優先しました。導入から半年が経ち、利用に慣れるだけでなく、現場をよりよくする利用方法のアイデアを現場が自ら提案するようになってきました。

 

今後は、患者や医療職、さらには地域に貢献すべく、先のICTロードマップに沿ったアプリや利用する機能の幅を広げて行く予定です。さらに、慈恵医大では、ICTを効果的に医療現場に活用するため、複数の学術研究・臨床機関と企業によるパートナーシップの場として「メディカルITメディアラボ」も設立しました。本組織では、医療業界のルールや偏見に捉われることなく、豊かなアイデアで実証実験を行っていきたいと考えています。

 

なお、当講座やラボ、臨床の現場での各種取り組みから見えてくる、「なにが必要で、なにが問題なのか」という情報については、他の医療機関や企業はもちろん、国とも積極的に情報共有を行いながら皆で進めていきたいと考えています。これらのようなチャレンジを積み重ねることで、日頃の健康維持のための予防から病院での治療、介護、リハビリまで、包括的に対応できるICTの医療フィールドを構築して行くことを目指しています。

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※2016年6月、東京慈恵会医科大学でのiPhone導入、活用知見をもとにスマートフォン利活用の書籍「スマホで始まる未来の医療 ~医療+ICTの最前線~(日経BP社)」が出版されました。こちらよりご購入いただけます。

ー ありがとうございました。

※本事例中に記載の内容は掲載時点のものであり、閲覧される時点にて変更されている可能性があることをご了承ください。

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CLOMOが解決した課題

  • 3400台の iPhone の管理をしたい

  • アプリの配信や更新を効率化したい

  • iPhoneから院内システムにアクセスしたい

  • 院内コミュニケーションを活性化したい